「是之字」について
是之字伝説
徳川家康公の祖父である松平清康公が二十歳の時、享禄3年(1530年)元旦のこと、岡崎城で「是」の字を左手に握る不思議な夢を見ました。
場内の陰陽師等に占わせましたが、よくわかりません。
この夢を龍渓院の輪番住職である模外和尚に尋ねると、「是の字を分けると、日の下の人となる。是の字を握るは天下を取ることなり。遅くとも、清康公の三代後までには、必ず、天下人が現れるであろう。」と答えたとのことです。
(「日」は「天」、つまり天下人(てんかびと)と読み替え、その孫である徳川家康公が終(つい)に天下をとり、江戸幕府を開いた)
それを聞いた清康公は大変喜んで、模外和尚を招聘し、現在の位置に龍海院を開いたとのことです。
参考:「松平家・徳川家とも関係の深い 是字寺「龍海院」」(岡崎ルネサンス)
備前屋の是之字饅頭
龍海院にも近い伝馬通に店を構えていた当店では、少なくとも明治時代には「是之字饅頭」として酒元饅頭を販売しておりました。
大正元年に新装した店舗の写真にも看板商品の一つとして日輪を象った看板が掲げられております。
今回、この「是之字饅頭」を、元禄三年(1690年)から同じく岡崎で酒造を営んでらっしゃる丸石醸造さんから酒粕を分けて頂き、「是」の字の焼印を押した焼き饅頭販売しました。
岡崎に数多く残る松平・徳川家の歴史を感じながら、お召し上がり頂ければ幸いです。